ワンポイントリハビリ
手すりの高さは?
リハビリテーション科 理学療法士 岡田 梨夏子
高齢者や体が不自由な方は、立ち上がりや歩行の際にバランスを崩しやすいため、廊下やトイレに「手すり」を設置することによって安定して動作を行うことができます。
今回は手すりを設置する際の一般的な高さについてご紹介します。
【 廊下の手すり 】
手すりを取り付ける高さは、床面から75~80㎝を基本とします。具体的に「まっすぐ立った状態で腕を床方向に垂らしたときの手首の位置」に設定すると良いでしょう。 手すりの太さは32~36㎜を目安にすると安定感があります。

【 トイレの手すり 】
横の手すりは便座から22~25㎝程度の距離を目安として取り付けます。縦の手すりは立ち上がる際に前方への体重移動を促すため、便器先端から25~35㎝程度離れた位置が適しているとされています。 ただし、極度の猫背・円背姿勢の方は、より深くおじぎをしながら立ち上がるため、少し離れた位置に設置することもあります。

手すりの取り付け高さは、使用者の身長や身体状況、設置場所によって異なります。介護保険をお持ちの方は、担当のケアマネジャーにご相談ください。
【参考文献】『OT・PT のための住環境整備論 第2 版』野村歡,橋本美芽(編),三輪書店,2018