南東北看護師コラム
新型コロナワクチン接種と手術
周術期管理チーム 中野 晋太郎
当院では「術前外来」を行っております。手術を行う事が決定し、ご説明をする段階で手術室看護師がごあいさつに伺っています。早い段階から患者様の情報を知る事ができるようになり、手術室でのより良い医療・看護の提供に役立てています。
患者様とのお話の中で「コロナワクチン接種を予定していた」という声が聞かれます。実は日本麻酔科学会では、新型コロナワクチンを接種してから手術まで(可能であれば)14日以上空ける事を推奨しています。一般的なワクチン(肺炎球菌ワクチンなど)では十分な抗体産生には1~2週間かかります。 新型コロナワクチンも抗体産生に同じくらいの期間が必要であり、免疫抑制を起こす可能性のある手術治療は14日以上空けるべきと考えられているようです。
また、手術を受けてから新型コロナワクチンを接種する際も、14日以上空けることが推奨されています。こちらは、①ワクチンの副反応への体力回復期間を考慮すること②手術を受けた後の免疫機能の回復には1~2週間は必要であることが理由のようです。
以上はあくまでも原則であり、急を要する手術等個々の患者様の状態に応じて、主治医と麻酔科医で協議しています。
新型コロナワクチン接種の予定を立てるときの参考にしていただければと思います。