健診ナビ
「メタボ」何が悪いの?―作用編―
健診センター 保健師 境 ひとみ
5月号でメタボの基準についてお話ししましたが、ではそもそもなぜメタボはよくないのでしょうか。
まず内臓脂肪が増えてくると脂肪細胞から、様々なホルモンが出てきます。そのホルモンは、血糖や中性脂肪を上げてしまったり、善玉コレステロールを減らしたり、血圧を上げたりと、体にとって不都合な作用のあるものです。また内臓脂肪が増えることで、体にとって良い作用をもつホルモンも減ってしまいます。体にとって不都合なものが増え、良いものが減る…そうして動脈が固くなっていき、脳卒中や心臓の病気を引き起こします。
つまり、メタボ自体は病気ではありませんが、大きな病気になるスタートラインに立った状態です。病気に向かって走り出してしまうのか、踏みとどまり引き返すのか、一度自分の生活を省みることが必要です。病気になってから健康な体を懐かしがっても、病気になる前の体は誰にも返してもらえません。日々の生活から心がけていきましょう。